バンドの中の気になる女性たち
宮町ウインドアンサンブルに入団してしばらくは、練習が終わったら、一人で適当な場所で夕食をとって帰宅するという毎日だった。
人見知りなオレは、なかなかメンバーに溶け込めない毎日だった。
練習はそれなりに楽しく、仕事の都合をつけて毎回なんとか参加していた。
家内も週に2回、夕食の準備をしなくていいせいか、そんなに気にも留めていない様子だった。
前回のエントリーで、男女の仲云々と書いたが、オレだって木石ではないので、気になる女性団員は何人かいた。
同じサックスパートの、みずほちゃん。
東和女子高を出て、東京の有名私大を卒業して、地元に戻ってきて大手通信会社に勤めるキャリアウーマン。
大柄でスタイルがよくて、目鼻立ちがハッキリしていて、男性団員に隠れファンが多かった。
トロンボーンパートのアイちゃん。
服飾関係の学校に通っているのでファッションセンスはとても良くて、それでいて鉄子。
そのあたりのギャップにメロメロなおじさん団員多数。
クラリネットパートのゆうこちゃん。
たおやかな雰囲気なのだが、じつはスポーツ万能の婦人警察官。
なんでも逮捕術では県警の中でも一目置かれる存在らしいが、クラリネットを吹いているときはそんな雰囲気はまったく見せない。
オレも彼女たちに会うのは毎回楽しみだった。
そしてパーカッションパートの、幾子姐さん。
サックスのみずほちゃんと中学が同じ。
いつも喫煙組のおじさんたちと一緒にモクモク吸っているし、シャープな印象なので姉御肌に見られていて、姐さんなんてあだ名が付いている。
スリムでスタイルがよく、いわゆるクールビューティー。
サックスパートのお局さま、ゆうこおばさまによると「入団希望の若い男性は、かならく幾子ちゃんをじろじろ見ていくわよ」だって。
その幾子と、オレが・・・なんてことは入団当時は想像もできなかった。