メールのやりとりが続く

体調不良で打ち上げパスしたときにお見舞いメールをもらってから、幾子とは日に数回メールのやりとりをする間柄になった。

といっても内容は他愛のないもの。

 

「出張にパンツ持ってくるの忘れた。一週間同じパンツを履いたらどうなるか実験してます。」

「そんな実験やめて、すぐにパンツ買いましょう〜」

「はーい」

 

47歳のオッサンと22歳の若い女性がこんなくだらない?メールを日に数回やりとりしていた。

まあなんというか、今思い返してみても恥ずかしい。

 

といっても何通も送るわけではなく、せいぜい一日に3通程度。

仕事の合間にちょこっと、という感じだった。

でもだんだん、待ち遠しくなってはきたのだった。

 

そんなある日、出張先で仕事のトラブルに見舞われて、メールどころではない状態が3日ほど続いた。

「3日もメールが来ないと、心配するじゃないですか!どうしているんですか???」

こんなメールが来た。

女性からこんな内容の連絡をもらったことがなかったので、とってもビックリした。

 

あちゃー、やっちゃった! と焦って、道ばたに車を停めて、あわてて電話した。

いきなり電話かかってきて幾子はびっくりしたらしい。

それまで携帯電話番号は交換していたけれど、電話したことがなかったので。

(やはり既婚者なので、いろいろと自制はしていた)

「ごめん、仕事でトラブルが起きてしまって。元気だから。」

「そうなんだ。よかった。心配した。」

二言三言話して電話を切ってしまった。

 

まもなく初雪の季節がやってくる、出張先の雪国の夕方のできごとだった。